安定化電源が手に入る
実家の整理にて、父親が昔使用していた安定化電源が転がっておりました。
ネットで調べるとメーカー名は第一電波工業というらしい、ホームページでもすでに製品の詳細を知る事ができないという事がわかりました。
電源をいれるも反応がありません。
トランス式でアナログ回路であろう安定化電源はノイズが少ない(スイッチング電源と比べて)というのは知っておりますので、ぜひこの電源を使いたいと思い修理する事とする!!
内部を拝見
とりあえず状態のチェックからです。スイッチは動作しません。
外装は結構荒れてます。サビが浮いてます。
内部はというと・・・・
骨董品レベルで汚れていました。
基盤の洗浄
普通は無水アルコールで基盤洗浄するのですが、あまりに基盤が汚いので、基盤を取り外して水道水と家庭用洗剤で埃を綺麗に洗い流したました。
↓
見違えるように綺麗になりました。
トランスのほうは昔のアブラ紙??使用だったので濡らすとよくないと考え軽く埃をとる程度にしております。
30年分の汚れがおちました。
回路の状態について
洗浄がおわったところで回路についてみていきます。
わかった事はすごーくアナログな回路だという事です。
チップなどはなく、トランジスタで安定化電源を構成していました。
まず、下図のトラジスタである2N3055が最終出力トランジスタでこのトランジスタのエミッタへ負荷が繋がっています。
この2N3055をダーリントン接続で繋がっているトランジスタ(1段目)が↓
赤丸のD2012が2SD2012のトランジスタです。この2つのトランジスタでダーリントン接続され出力されます。
むっちゃ簡単です。
さらに細部はというと・・・
2SC2236のトランジスタが3つあります。
この3つのトランジスタのうち一つが
ダーリントン接続のトランジスタをスイッチングするもの
もうひとつが電圧調節用のトランジスタ
3つ目が、四角い黒い箱のリレーを動作させるものというのがだいたいですがわかりました。
基盤上に可変抵抗があるのですが、↓
RV1がどうやら出力電圧を決めるもの
RV2が出力電流計の表示調節用である事がわかりました。
基盤をみてのとおりかなりシンプルな作りで、しかもトランジスタが3種類ととても部品点数も少なく最高に洗練された定電圧電源です。
おそらくですが、ツェナーダイオードも含まれているので、電圧を分圧してツェナーとくれべて、高く(低く)なったら、トランジスタでスイッチングしてリレーを動かすという超アナログ的な過電圧防止昨日があると思われます。
トランジスタも現在2020年7月の段階で同一部品が秋月電子でいまだ売れていますし、似たようなトランジスタでも代替可能ですのでいくらでも修理できます。
とりあえずトランジスタのデータシートおいときます。
あとは、トランスから降圧さらた交流をダイオードブリッジへと入るんですが、2系統のダイオードブリッジ(赤四角)に入り、平滑用のコンデンサ(青丸)へと続きます。
大きなコンデンサが4700μFで小さいコンデンサが1000μFでした。どちらも平滑用です。
故障箇所をさぐる
故障箇所はというと、まず電源が入らないので基盤に問題があるわけじゃなさそうです。
もしトランジスタや調整用のVRが故障していたら電圧がでないとかそういうレベルだからです。
故障箇所はガラス菅ヒューズでした。
切れているわけではなく、ヒューズが経年劣化でフィレメントが外れておりました。
レストアなので、コンデンサを全て完装しようか悩みましたが、平滑用なのでもし修理した後に出力電圧にリップルが多ければコンデンサをやりかえようと思います。
外装の整備
外ケースも結構きたなかったので、240番程度の耐水ペーパーでやすりがけをしてサビ取り後、そのへんに転がっていたラッカースプレーで塗装しました。
レストア完成
レストというよりは分解清掃&内部回路調査といったほうがよさそうですがなんとか動くようになりました。
ほとんど壊れても代替がきく部品ばかりなので、いつまでも使えます。
最高です。
after画像です↓
電源電圧もバッチリです。
外装もばっちり綺麗になりました。
元が↓生まれ変わりました。