前回までの記事で電動オクルーダーの自作を決意して
輸液ポンプのステッピングモーターを利用した電動アクチュエーターまで自作しました。
※電動アクチュエーターというのはモータの回転をリニアな動きに変換するものでござーいます。
イメージ的にはこんな感じ↓
しかし、輸液ポンプのステッピングモーターではトルク不足で役に立たない事が判明。
ひょんな事から強力なステッピングモーターをゲットしたのをきっかけに試作2号機を制作する事にしました。
作成にあたって
まずステッピングモーターはオリエンタルモーターのPK266M-01Aというものでトルクが高く0.9N/mもあります。
ここで説明していますが、この0.9N/mというトルクはどのくらいすごいのかというと
1N(ニュートン)はおおよそ102gなので、このモーターの回転軸に重量がない棒を直角にとりつけたとして、1m先の102gのものを持ち上げれるという力になります。回転する力ですね。
ちなみにこの棒が短い1cmだったら、トルクは100倍の10200g約10kgです。
今回は0.9N/mで作動点もネジを回して回転を垂直方向の力に変えるというトルクの使いかたなので、十分すぎる性能だと思います。
たぶん余裕で人工心肺回路の12mmチューブを潰せる事でしょう。
電動アクチュエーターの要となるボールネジについて
前回は移動動作を果たすネジをホームセンターで調達しました。
さまざまなネジがあるわけですが、あるのはだいたいピッチが0.5mmのもので一回転で0.5mmしか進まないので移動距離が遅くて話になりません。
そんで、アマゾンを見ているとなんと3Dプリンターや電動ボール盤を自作する目的で専用のネジやカップリングといったものをセットで、かつ格安で売られている事に気がつきました。
そもそも電動アクチュエーター自体が日本の有名企業でうられている値段の1/5くらいで売られていますが、それでも3万円〜10万円くらいするのであきらめました。
下が買ったボールネジです。
約1回転で8mm送られ、ピッチが2mmで4条ネジといわれるものです。
2mm×4で一回転で8mm動くというわけです。
なんかアマゾンでは当たり外れがあるようで、バリといわれる金属が取れておらずネジスムーズじゃないとかレビューに書かれていたりしますが私の場合はそんな事はありませんでした。
このネジをステッピングモーターとドッキングさせ、ボールネジを回転させ送りネジを固定すると垂直方向に送りネジが移動するという電動アクチュエーターの動作をするのです。
イメージに的には上のアクチュエーターのように滑らかに動いてくれるようなものを作りたいと考えました。
設計と組み立て
とりあえずモーターとネジとベアリングは揃っているので、それらのパーツを取り付ける土台など細かなパーツをやはりホームセンターで選定しました。
設計という設計はしていなくて、まぁだいたいこんなもんだろ!!とアルミ板に穴をあけ、L型金具でモーターを固定しました。
穴あけは簡単にできてあっという間に組み立てる事ができました。
下が実際に作成したものです。↓
一番苦労したのは、稼働部のネジにチューブを挟み込むためにL型金具を使用しましたが、それがボールネジの回転とともにとも回りしないようにL型とは直角に直型金具を設置。
そしてそれらが、スムーズに動くように土台に直型の黒い板を固定しました。
これでL型金具がとも回りしないようなナイスな構造が実現!!
これで動作チェックしましたが、結構いい動きをしてくれました。(動画撮り忘れた・・)
また、結構トルクが高いのでネジの動作範囲も決めたほうが壊れにくいと想定。
マイコンで制御するので、それに合わせてマイクロスイッチを2つとりつけそれ以上、それ以下の範囲ではモーターの動作をストップする機構にする予定でスイッチを取り付けやした。
実際の動作前の動作映像です。↓
これでハードは完成しました。
次回はこの電動アクチュエーターを作動させるためのソフトウェアを考えていきます。
一応マイコンで動作を制御させる予定でーす。
それではさいなら。