簡易筋電計の自作 構想編

 

ことのはじまり

簡易的な格安オシロスコープ”50円オシロの作成”などの記事を書いてきましたが、今度は生体情報の筋電位計を自作したろうと思います。

ことの始まりは作業療法士さんから”簡易筋電計”なるものを作ってほしいと依頼があった事がはじまりです。

この世の中にはすでに簡易筋電計なるものを作成しているかたがいてそれを参考にと言う事です。

 

簡易筋電計の作り方というサイトで紹介されています。

なにやら早稲田大学のゼミかなにかでしょうか?論文なども出されているので本格的です。

中を拝見するとどうやらLT1167という計装アンプを心臓部とする簡単な増幅回路だと言う事が判明しました。

そんで波形はPCにマイク入力で入力して音声外部入力を用いたソフトで波形を表示するという仕組みです。

 

計装アンプとは

とりあえず計装アンプについても触れますが、オペアンプとの違いは計装アンプは高精細で低ノイズでオペアンプより優れた増幅ブロック(アンプや抵抗が中にすでに回路として組み込まれているもの)になります。

見た目はオペアンプそっくりですが、中には数個のオペアンプや抵抗で構成されています。

くわしくはこちらでざっくり勉強してね

 

だから計装アンプというのOPアンプよりは少し高いのですが、その中でもLT1167は秋月で400円と安価であり、おそらく安く筋電計を作成するという目的で、このアンプを選んだのだと思います。

これがLT1167の日本語データシートになります。

 

 

論文にでているEMG-BF回路(EMGバイオフィードバック回路)

論文で出ているEMG回路図はこんな感じ↓

特徴はMAU109というDC-DCコンバーターを使っている事と、ハイパスフィルターローパスフィルターを取り入れている事かな?

すごく部品点数は少ないですが本当にこのハイパスフィルターはいいのか?と疑問ですね・・

論文に書いているハイパスフィルターは計装アンプのゲインを決める1番ピンと8番ピンにCR回路として組み込んでいます。

 

オペアンプだとこれで良いのですが、計装アンプでこんなやりかたで果たしていいのか?というのが疑問です。

データシートにもこのような使い方は載っていないので、果たしてここにCR回路を組んでハイパスフィルターとしての機能を持たせる事は可能なでしょうか?いささか怪しいものです。

 

 

あとこの論文からバイオフィードバックというリハビリの仕方をするそうですが、要は筋肉の収縮を視覚的に被験者が見ながらリハビリをすると言う事なんだそうです。

 

ですから、筋収縮の観察さえすればいいわけですから、ハイパスフィルターはあまりいらないような気がします。(MEPなど微笑な筋電位を測定するわけじゃないか!!)

 

 

ローパスフィルターは高域ノイズの除去と言う点で必須です。

なぜなら高周波は身の回りを飛び交っているから!!

 

 

計装アンプの増幅率

増幅率はデータシートでは↓

でRGはLT1167の1番ピンと8番ピンにつなぐ抵抗値になります。

一応ピン配置を載せときます。

スポンサードリンク

 

論文ではこのRGに1kΩの抵抗と並列の1μFを並列にしたコンデンサを直列に1番と8番に入れてCRのハイパスフィルターにしていると説明しています。

ですからゲインは50.4倍でハイパスフィルターは80Hz程度だそうです。

 

 

CRフィルター遮断周波数の計算

 

 

そして出力端にこれもまたCRでローパスフィルターを形成しています。

回路の番号で言うとR2の820ΩとC3の0.1μFで1940Hzのローパスフィルターとしているしています。

 

 

簡易筋電計の回路をどうすっぺか?

データシートの推奨回路ですので論文にかかれた回路がいかに簡単かとわかります。

 

今回はEMG-BF回路を3パターン作ってみて表示波形に差があるのかどうかを検証します。

 

実際に簡易筋電計を作る(今回は回路図だけ)

論文に載っている回路構成を少しだけ改造した回路

論文に載っている不必要なDC-DC回路は除去抵抗分圧で両電源を作成しました。

さらに電源LEDを追加しました。

あと、増幅率を495倍にします。

携帯やタブレットに出力するために3.6kΩにしました。

なぜ3.6kΩなのかというのはここで述べております。

 

 

 

LT1167とLT1112を使ったデータシート通りの回路

推奨回路です。出力端に3.6kΩの抵抗を出力とアースに並列に入れて携帯やタブレットに出力します。

推奨回路なのでかなり良いのでしょう、安定したGNDを作るのにLT1112というアンプを使っています。

ゲインはまずLT1167で増幅した信号をLT1112の残りのアンプで2段増幅しています。

 

 

 

 

EMGバイオフィードバックに適した最も簡単な回路?

ハイパスフィルターを除去してローパスフィルターだけの回路

増幅率は495倍に変更。

R3は3.6kΩ

ただただ簡単な回路です。

 

次回はこの3つの回路を実際に作成してみたいと思います。

注意

アンプの出力端に3.6kΩの抵抗を出力と並列に入れていないとスマホやタブレットが外部入力として反応しません。

なぜ3.6kΩとしたかはここで述べています。

 

スポンサードリンク
カテゴリー: 制作事例 パーマリンク

簡易筋電計の自作 構想編 への1件のコメント

  1. 山城 雄三 のコメント:

    前略・・ですみません。
    簡易筋電計の自作 制作編?は掲載されているのでしょうか。
    また、スマホで見る推奨アプリはありますか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください