2017年2月15日 私の初めての書籍が発売されました。
手前みそですが、基本を押さえつつアナログ回路が学べ、実践に富んだ内容になっています
ぜひ読んでみてください。
↓詳しくは下記画像をクリック↓
”臨床工学技士”の為の本当のテスターの使い方
私のもっている安物テスター3台よりアナログテスターとデジタルテスターの使い方について簡単ではございますが説明していきます。
目次
今では5000円以下でこんなテスターがネットで買えます。
ご参考までに。
アナログテスターとデジタルテスターの違いについて
違いはデジタルは確度(正確差)が1~2%で値が正確であります。
そして機能がたくさんついているというのがメリットでしょう。
それに対してデメリットは動きのある測定が困難であることです。
どういう事かというと、たとえば1~5Vまで数秒で上昇していきその後下降するという電圧の変化を繰り返している測定対象があったとします、デジタルテスターではその動きに対し数字が目まぐるしく変化しているだけで規則性があるのか無いのかが?さっぱりわからないのです。
反対にアナログテスターだと針の動きが電圧の変動を表す為、動きのある電圧が視覚的にまた直感的にどう変化しているかを捉える事ができます。
アナログテスターのデメリットは誤差が3~5%程度ある(同金額のデジタルテスターと比べると)事や測定に面倒くさい行程があるといったところでしょう。
アナログテスター | デジタルテスター | |
正確差 | 誤差3〜5% | 確度が1〜2% |
機能 | あまり機能的に豊富なものはデジタルと比べ(同値段で)ない | 高機能のものが多く、中には周波数や静電容量を計れるものがある |
測定 | 動きのある測定が視覚的、直感的にわかるのが特徴 | 動きのある測定対象をとらえるのが困難、またレスポンスが悪いものがある |
携帯性 | 大きいものがほとんど | カードタイプの物があり携帯性にすぐれる |
わたしが思うにデジタルとアナログを1台ずつはほしいですね。 はじめは安いもので良いと思います。 私は今でも1000円程度のテスターを愛用していますが全く問題ありません。
直流電圧測定(DCV)の計測方法
アナログ
レンジを測定対象の電圧レンジに合わせる。 ここでは乾電池の電圧測定なんでDCVの2.5Vレンジに合わせました。
もし測定対象の電圧が分からない時は最大レンジから測定するのが基本。
ちなみにテスターのmax電圧を超えない事!!(最大許容電圧)
だいたいテスターに書いてます。私の安物テスターはMAX1000VまでOKなのでR!!
テスター棒はcom端子(コモン)もしくは黒いほうをマイナスへ赤いほうをプラスへつなぐのが基本です。
ちなみにコモン(COM)ってね、英語でcommonって言って”共通”って意味です。
まぁアースって事です。
そんで、電池電圧ですが、1.6V付近に針が動いています。
基盤に配置された部品にかかる電圧を計る場合も同様に測定します。
※注意点として基盤についたままの測定対象を測定できるのは電圧のみです(電圧は分圧するから)測定対象と並列にテスターをいれましょう。
よく抗値抵や導通を調べる為に、
回路の部品に並列にテスターを入れて測定しようとしている人を見た事がありますが、完全に臨床工学技士の偽物(笑)です。
抵抗値測定と導通チェック(ヒューズチェックは除く)を調べる為には、測定対象を回路からきりはなさなければ計れません。
理由はかんたん、抵抗は他の部品との合成抵抗になってしまうという事です。
デジタル
最近のデジタルテスターはaute(オート)レンジ機能といって測定対象の電圧を気にする事なく測定する事ができます。
(テスター固有の許容電圧は超えないよう注意する事)
テスターを直流電圧を測定するレンジに合わせ上記アナログテスター同様で 赤はプラス、 黒はマイナスへ合わせ測定します。
どうですか?デジタルテスターのほうが正確に小数第3桁まで示しています。
すごいですね。
テスターの良否はやはり測定値が現れるまでのレスポンス(反応)だと思います。
測定対象にプローブを当てると瞬時に値がでる、すなわちレスポンスが良いデジタルテスターはお高いです。
交流電圧測定(ACV)の方法
アナログ/デジタル
直流電圧同様測定対象に合わせた交流電圧レンジにあわせ測定します。
直流と違う点はテストリードの極性を気にする事がないという点でしょうか?
当たり前ですよね~ 交流は極性ありませんからね。
ただ商用交流の電圧測定する時は注意ですよ。 感電したら痛いですよ。ビリビリって・・・ 場合によっては
死にます。
何度も確認して計測するようにしましょうね。
電流測定の方法
アナログ/デジタル
レンジを測定対象の電流レンジに合わせます。
特に電流測定は注意が必要です。
すこしでもレンジを超えた電流値を入力させると安いボロいアナログテスターはすぐに逝ってしまいます。
気をつけましょう。
電圧測定の場合は測定したい箇所に並列にテスターをいれると電圧を測定できましたが、電流測定ではそうはいきません。
電流は分流するので回路の途中に テスターを組み込まなければ電流を測定できません。 ➡中学校で習いましたね。
テストリードはここでも電流が流れてくるほうに赤、 電流が流れていくほうに黒を繋ぎます。
解り易いように図を用意しました。
図りたいのは下図の電球が消費する電流だとします。
電流測定では回路を離断させて、電流計を回路の途中に組み込まなければならないので、下図の用に測定します。
どうですか?
簡単でしょ?
抵抗値測定
まぁ抵抗値の測定はいたって簡単です、図りたい抵抗をテスターの抵抗測定レンジに合わせテスター棒を当てるだけです。
ちなみにアナログはレンジがいろいろあってたとえば×10とか×1kとか×10kとかね・・基本的に対応レンジで計測します。
注意点もアナログテスターだけなんですが 測定前にテスター棒の赤と黒を接触させて抵抗値が0オームになるようにテスターについているつまみを調整します。
レンジを変えたらまた調整が必要です。
毎回毎回やりましょう。
私のテスターの場合、調節つまみは本体の左横についてました。
0オームにならなければ内部の電池を交換する必要があります。
また針の位置校正用の調節ネジとは違いますからね。
気いつけてね。
しっかりテストリードを接触させて(この時自分の指がリードに接触しないようにする事)調節するのがポイントです。
デジタルのほうはもっともっと簡単で、抵抗値を計測するモードにして場合によってはレンジを合わせて測定するだけです。
現在のデジタルテスターはほとんどオートで、レンジを合わせる必要が無い物がほとんどです。 私の手持ちのテスターも↓
一番右にダイヤルを合わせると、抵抗がレンジを合わせる事なくオートで測定してくれます。
簡単過ぎます。
ちなみにですが、測定対象物の抵抗値が無限大近い場合はオーバーレンジといって測定できません・・・という表示がでます。 実際にはOL(オーバーレンジ)と表示されます。
導通チェック
電線や作成した回路がショートしていないかなどを調べる際に使います。
この機能はアナログテスターであれば上記の抵抗値測定で導通チェックが可能です。
アナログテスターでは抵抗値が0Ωであれば導通しているという事になります。
デジタルテスターでは別途この導通レンジがあるものがほとんどで、導通があればある抵抗値以下でブザーがなるという便利な機能なんです。
上記が導通があればブザーでしらせてくれるモードです。
なんか携帯のアンテナのようなマークが出ているのがお分かりでしょうか?
いちいちアナログみたいにテスターに顔を向けなくてもブザーで聴覚から導通があるとわかるので結構便利です。
よく仕事でも使います。
ただなんでもかんでもピーっとなると思っていると大間違いです。
ポイントはある抵抗値以下で鳴るという事です。
私の持っているものは30Ω以下で鳴ります。(抵抗値は各テスターによってまちまちで取り扱い説明書に書いてます。)
たとえばECGケーブルの導通チェックを行う場合ですが、ECGケーブルは電気的インピーダンス整合の為ケーブルがつうつうに導通していないと言う事は知っているでしょうか?
例えば黄色は35KΩとか微妙な抵抗値を持っているものがあります。
そういう時は注意です。
音が鳴らないから断線していると思ったら大間違いです。
実際に新品のECGケーブルの抵抗値を調べてみると解ると思います。
ダイオードチェック
これもデジタルテスターならではの機能で、最近のデジタルテスターにはほとんどついてますね。
でも臨床工学技士の友達にこの機能を知っているかたずねると知っていると答えるのものはいませんでした。
情けないのでわたしが解説しときます。
この機能はもちろんダイオードのチェックに使う機能です。
そうダイオードの降下電圧がわかるのでとても便利な機能ですがダイオード自体を使わなければ、なんお役にも立たない機能ですよねぇ・・
てかダイオードって順方向でもわずかながらに電圧が落ちるってしっとりますかぁ~?
その降下電圧を知る為の、またはダイオードが無事かを知る為の機能です。
計測方法は・・・
モードをダイオード計測モード(赤○のモード)に合わせます。
計り方は簡単で、
ダイオードのアノードにテスターの赤を
カソードにテスターの黒をつなぐだけです。
測定対象ダイオードの順方向電圧が表示されます。