手術室での内視鏡手術にて利用するHD-SDIケーブルというものがあります。
HD-SDIというデジタル映像信号を高精細なサブモニタや天吊り式の手術モニタに映し出し、術者はそれを見ながら手術を進めます。
今回はそんな映像信号を伝送するケーブルを自作したので、報告しときます。
まず内視鏡手術にて使っている機器はオリンパスです。(他にもあります)
オリンパスの内視鏡システムには必ずといっていいほど3G/HD-SDIが搭載されています。
ちなみに接続端子はBNCと言います。
これなんですが、買うととてもお高いとです。
やはりメーカーから買うのが保証や信頼面で気持ちが良いので見積もりをとってみると・・・
5mで4万円程度 10メートル以上となると7万円とかします。
意味がわかりません。
たかが同軸ケーブルなのに・・・
そこで、
HD-SDIのことを調べてみました。
”
デジタル信号特有の特性として、遠距離になればなるほどデータ化けが発生して全てのデータが無効になってしまう。規格上は100mまで可能となっているが、80m超えなどの遠距離へ信号を送出する場合はデータ化けやケーブルの状態、リクロック型中継機器の設置など注意が必要である。
通常の75Ωの接続ケーブルはFBケーブル及びHDケーブルを使用する。(仮設用はFWを使う)
”
かんたんじゃねーか!!
インピーダンス整合が
75Ωで、
同軸ケーブルって言う事はテレビのアンテナケーブルが使えます。
またネットでも
カナル電気が実際に自作したさらに上位規格の12G-SDIなどを販売していました。
ちなみに同軸ケーブルは高周波を扱う為のケーブルなので、インピーダンス整合など合わせておかないと信号が減衰します。
だからケーブルもなんでも言い訳じゃないんですよ。そもそも高周波を扱うBSテレビ用のアンテナケーブルあたりが原理的に安価に流用できます。
そっそく材料を購入します。
まずは構想から
1.デジタルの伝送時の損失を限りなく抑える為に同軸ケーブルは太いものが良い
2.ケーブルの太さは3-5mmが取り回し上良さそう。7mmはごつい!!
3.接続端子はBNC端子を利用→これもケーブルの太さによって規格がある
4.安価であればなおよし!!
上記から
同軸ケーブルは
5mm
同軸ケーブルのインピーダンスは
75Ω
接続は
BNC
自作する事を決意しました。
買ったものは
S5CFB というケーブルで30mです。
たったの2000円程度でした。
ちなみに同軸ケーブルの型番の読み方は下記のようになります。
そしてケーブルに合わせてBNCコネクタも購入。
今回だけコネクタを接続する工具も購入しました。
これはBNC専用の圧着ペンチです。
実際のケーブル作成画像を撮影するのを忘れており、残念なのですが工作はそれほど難しいものではありませんでした。
テレビの配線ができるレベルなら簡単にできます。
参考にした資料は
こちら
写真のように被覆をむいて、カシメるだけなんです。
たったの5000円程度の出費で、数万円もするケーブルを自作し、さらにケーブルの異常時の対応もこれでバッチリとなると、工具を揃えていても無駄ではありません。
同軸ケーブルを自作するには経験上ケーブルは3cか5cが良いと思います。
2cなど細いものにすると、取り回しはいいですがたまにノイズなどに悩まされる事になります。
細い同軸ケーブルは信号の減衰もはげしいのです!!
自作される時は自己と病院の責任において実施してみてください。
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