今回は医療テレメーターやwifi通信でしっかり電波が出ているか?がわかる簡易電界強度計を自作してみました。
簡単な医療テレメーターのテスターにする事ができます。
今回、臨床工学技士標準テキストにのっている様な基本的な回路だけで作成しています。
出来上がったものはコチラ⬇
制作の実際
人間見えないものは見たくなってしまうどうしようもない生き物です。
チラリズムとかもいっしょね。 😳
ことに現代では無線通信をはじめ、人間の目には見えない何かのフォースによって社会生活は便利なものになっております。
たとえば赤外線通信のTVリモコンや無線でインターネットにつながるwifi、様々な機器をPCと接続できるBluetooth、災害時に役立つ防災無線、ラジオや私達にはなじみの無線医療テレメータ、持っていないほうが珍しい携帯電話などです。
これらは言うまでもなく電波の力によって通信を行っていますが、どうしても目で見たいんだよ!!
どうすれば見れるのか?
簡単です。たぶん・・
電界強度計と言われるものを利用すればみれます。
電界強度計・・・お高いっす。
それなら作ってしまいましょう。
今回は医療でもおなじみの医療テレメーターが利用する430MHz帯と最近医療分野で利用されるようになったwifi通信の2.4GHz帯と5GHz帯で電波が観測できる簡易電界確認器具を作ってみる事にしました。
今回のコンセプトは臨床工学技士標準テキストにのっている回路で作ってみるという無謀な挑戦をしてみます。
まず考えたのは電波をアンテナでキャッチしてそれを整流してLEDを光らせる事。
回路図です。
この回路図はまずアンテナから電波を取り入れ2つのコンデンサと2つのダイオードからなる回路を通してLEDにつながっています。
これはまさに倍電圧回路で臨床工学技士の皆さんは授業で習っています。
倍電圧回路の詳細はこちら
ここで使用しているダイオードですが、VFの低い1ss108というダイオードを使用する事にしました。
このダイオードは通常のダイオードのVFの0.6VとははるかにVFが低く、0.1V〜0.2VのVFしかありません。
ですので微小な電流でもダイオードを通過できて検波できるという事になります。
実際にブレッドボードに組んでみました。
動画は出力1wの無線機を用いてテストしています。
無線機のボタンを押すと電波が検波されLEDが点灯しています。
この後wifiルーターにも近づけてみましたが残念ながら光りません・・・
wifiルーターの出力は10mW以下なので単純に出力が貧弱という結論に・・
それなら医療テレメーターも10mWの出力なので光るはずもありません
そこで考えたのが下の回路図です。
こちらも臨床工学技士標準テキストにのっているオペアンプを用いた非反転増幅回路です。
増幅はトランジスタでもできますが、トランジスタはそもそもベースーエミッタ間で0.6V程度の電圧降下があるので入力がそれ以上ないと増幅できません。
ですのでトランジスタによる増幅は不可能!!
今回は安い汎用のオペアンプであるLM358というオペアンプを利用しました。
LEDの前に電流制限抵抗を入れてますが、無くても10mWの電波の検出する場合はそれほど電流は流れ過ぎず、むしろ明るさが欲しいくらいなので抵抗は無くてもいいかも。
倍率はオペアンプの2番につながっている1KΩと2番と1番につながっている1MΩの比率によてきまります。
今回の回路での倍率は1+1MΩ/1kΩ で おおよそ1000倍です。
下図は非反転増幅回路の回路図です。標準テキストから抜粋⬇
増幅率はR1の抵抗とRfの抵抗の比で決まります。
厳密には1+Rf/R1です。
覚えておきましょう。
wifiの2.4GHzでも実験しました、医療テレメーターと違ってLEDは点滅を繰り返します。
たぶん医療テレメーターとは変調の仕方が違うからでしょう。
皆さんもぜひ作ってみてください。面白いです。
あと作ってみて感度がいまいちだという方は1MΩの抵抗を2MΩにして、オペアンプの3番とグランドの間の抵抗1kΩを100kΩ〜1MΩに変えてみてください。