DCS-27に搭載されている加圧ポンプがこの間壊れたのでレポートしときます。
細菌や微細なゴミを除去する透析用カットフィルターは全透析装置に搭載しています。
このカットフィルターは半年に一度交換します。
その交換後に一台のDCS-27のアラームがなりました。
それが”加圧ポンプロック警報”というアラーム↓
なにやら、ポンプの揚程力を産む羽根車であるインペラという部品が止まってまっせ!!っという警報です。
なんにもイジってないのに・・・?
DCS-27やその他の日機装社の透析装置では加圧ポンプと脱気ポンプというものがあって、比較的液漏れが起こりやすいという個人的印象です。
液漏れをおこすとメカニカルシールという物を交換するのですが、その交換過程でポンプを分解する為、組み上がったあとの動作チェックなどでインペラのアタリなどをチェックして正常に組み上がっているかを確認します。
しかし、今回はバラしてないのにロック警報がでたのです。
一応ポンプの異常だと考えて、加圧ポンプを観察すると・・
かなり液漏れしています。
何が原因か追求する為にポンプを交換後に異常をおこした加圧ポンプを分解する事にしました。
暇ですよね・・
まず、加圧ポンプに使用されているのは↓こちら
日本servo社製のブレシレスDCモーターです。
ブラシレスモーターについてこちらで勉強なすってください。
上からみるとこんな感じ↓
見た感じの印象は↓の写真の赤丸の部分から下に透析液や廃液が入らないような構造としてシール材を設置するのですが、このポンプはそれが機能せず液漏れの結果ポンプ内部に液が侵入しておりました。
でも外部からはほんとうによくわかりません。
こんどは内部を観察します。
内部を開ける場合には4本のネジを開けて開放しますが、液による侵食と析出物がたくさんこびりつきなかなか開ける事が困難な状況でした。
まぁ時間をかけ開ける事に成功。↓
ぎゃーっ!!きたないーーーー!!
ここからさらに原因を追求します。
析出物がついて錆びているだけで動作を妨げなければ問題なくうごきますからね。
そして赤丸の部分をよくみると。
拡大!!
DCモーターのコイルを形成する一部が錆びて断線している事が判明しました。
断線部分をよくみると水色っぽい色調がわかります。
この青っぽい、水色っぽいものを緑青(ロクショウ)と呼びコイルなどに使われている銅が酸化する時にできる物質です。
ですので、原因は透析液の侵入によるコイル銅の酸化による断線というのがDCブラシレスポンプの動作異常の直接的な原因とわかりました。
これにより、液漏れのチェックは必要、もしくはDCブラシレスポンプの予備は準備しておいたほうがよいという結論です。
以上 分解レポートでした。